Veni, Vidi, Vici
オリカ・グリーンエッジが金曜日、2014年ジロ・デ・イタリアのオープニングステージ、チームタイムトライアルで勝利した。スヴェイン・タフトがチームを牽引し、全長21.7㎞のコースを24分42秒のタイムでゴール。カナダ人の彼はベルファストで37歳の誕生日をマリア・ローザを着て迎えた。
『言葉に出来ないくらい感激しているよ。チームが僕にこのチャンスを与えてくれたのは驚くべきことなんだ。こんな素晴らしい経験が出来て、チームの一員である自分を誇りに思うよ。チームメイトはみんな僕にとって兄弟のような存在なんだ。僕達は大きな期待を背負っていたけど、それに応えられてほっとしているよ。まだ実感はあまり湧いていないんだけど、表彰台に彼らと一緒に立てたって事は一生忘れないね。』とタフトはコメントした。
『ここ2週間、我々は大きな勝利を手にしている。そしてこれは我々が長年、口にして望んできたジロでの大きな目標だったんだ。ほとんどのチームは失敗を恐れて目標をあまり口にしないが、我々は違うのさ。正直に欲しい物は口にして、そこへ向かって突き進んで手に入れた。最高の瞬間だよ。』オリカ・グリーンエッジ、スポーツディレクターのマット・ホワイトはそう答えた。
平坦なコースはチームにスピードをもたらすと、彼らはテクニカルセクションも難なくこなし、ピンクで着飾った観客達の声援の中を駆け抜けた。そしてチームは平均時速52.7㎞で優勝タイムを記録した。しかし二番手でスタートした彼らは勝利が確定するまで2時間もの間、じっと待たねばならなかった。そして彼らのタイムから5秒遅れて2位につけたのはオメガ・ファーマ‐クイックステップで、マリア・ローザ奪取を狙う。そして1位と7秒差でBMCが3位に入り、初日の表彰台を飾った。
『今回も凄く色々と考えたんだ。誰をメンバーに選ぶか、そしてレースの戦略はどうするか。もちろん全てが計画の内だよ。過去のチームタイムトライアルでは主要メンバー達を何度も起用していたから、今回は我々の戦略体制にあまり慣れてないメンバーを調整する事が重要だったんだ。その全てがとても順調にいったよ。』とホワイトはコメントした。
更にホワイトはこう付け加えた。『我々は確実にステージ優勝の本命だったね。だからメンバーには脱帽だよ。本命がこういったレースで勝つっていう事は思っている以上に難しいんだ。でも彼らはプレッシャーを上手くコントロールしていたし、とても誇りに思うよ。』
チームの初期メンバーであるタフトは、このオーストラリアチームのタイムトライアルには欠かせない存在となっている。カナダ選手権で8度のタイムトライアル優勝経験がある彼は、ティレーノ~アドリアティコやエネコ・ツアー、ツール・ド・フランスのタイムトライアルでも勝利を収めている。そしてツール・ド・フランスでの勝利はチームメイトのサイモン・ゲランスを総合首位につかせた。
タフトはルーク・ダーブリッジと組んで、デュオ・ノルマンで2度の優勝を飾り、昨年は記録的なタイムで優勝した。その上彼は世界選手権チームタイムトライアルでのメダル獲得経験もある。2012年が銅、そして昨年が銀メダルだった。カナダ人史上2人目としてマリア・ローザに袖を通し、タフトはジロ・デ・イタリア優勝経験のあるガーミン・シャープのライダー・ヘシェダルの足跡を辿る。
『レース前には何も言いたくなかったけど、スヴェインはいつでも頼れる奴なんだ。チーム精神として“費やした分だけ得られる”っていうのがあるんだけど、彼は今までの素晴らしいタイムトライアル実績から考えてもチームの要なのは間違いないからね。スポットライトの中心に相応しいと思うよ。』とホワイトは答えた。
『今朝のミーティングで僕に先頭でフィニッシュラインを通過して欲しいと言われたんだ。それは僕にとってすごく意味のある事だったよ。今日みたいに全てを出してチームの誰かがジャージを着ることが出来たら同じくらい嬉しいね。』とタフトはコメントした。
ジロ・デ・イタリアは週末にかけてアイルランドでスプリンター向けの2つのロードステージが続き、オリカ・グリーンエッジはマイケル・マシューズのスプリントにかける作戦だ。この23歳は昨年のブルエタ・ア・エスパーニャでグランツールデビューを果たし、更に2つのステージ優勝を決めた。
『マリア・ローザを何としても手に入れたかったし、この先出来るだけ長く持っていたいね。第一目標は達成したけど、もちろんステージ優勝も狙っていくよ。この先の2つのステージはマイケル・マシューズのスプリントをサポートして、ジャージをキープするつもりさ。オメガ・ファーマ‐クイックステップのペタッキが唯一警戒するスプリンターだね。スプリント勝負でのライバル達とはまだ差があるからね、仮に彼らがステージ優勝したとしても我々からジャージは奪えないよ。』とホワイトはコメントした。